鎌田 七男・著『広島のおばあちゃん』仏語版翻訳とフランス核実験被害者等への配布
(英文)Translation and distribution to the victims of French nuclear testing, of a French version of Nanao Kamada, One Day in Hiroshima
1.目的
仏領ポリネシアのモルロア、ファンガタウファ両環礁で、1966〜96年に計193回の核実験(大気圏46回、地下147回)が行われた。実験には、フランス軍関者、民間企業派遣員のほか、現地調達のポリネシア人労働者5千〜1万人(正確な人数は不明)が動員されたとされ、その多くが被ばくした可能性がある。
また、主として大気圏核実験の放射性降下物による汚染は仏領ポリネシア全体に広がっており、元労働者以外の一般住民およびその子孫への影響も懸念されている。
補償申請者数と認定数が未だ少数にとどまっているひとつの理由として、被害者自身に放射線の健康影響に対する知識が不足しており、自分や家族の健康障害と被曝との関連を自覚していない人、あるいは放射線の健康影響特有の立証の困難さを理解していないために、すぐに影響を特定し補償を得られないことに失望して申請に必要な書類の作成を諦める人が少なくないことが挙げられる。
本事業の目的は、原爆とその放射能の健康影響や社会的影響等を一般市民に分かりやすい表現で解説した『広島のおばあちゃん』の仏語版を制作し、現地の被害者団体や市民団体を通して広く配布することを通して、ポリネシア住民が核兵器と放射能に関する基礎的かつ正確な知識を身につけ、自らの権利回復運動を継続・発展させるための足掛かりのひとつとすることにある。
2.内容
すでに出版されている鎌田 七男・著『広島のおばあちゃん』およびその英訳 Nanao Kamada, One Day in Hiroshimaにもとづいて同書の仏語版を制作し、仏領ポリネシアの被害者団体や市民団体に送付する。
なお、すでに現地団体からは、この出版が仏領ポリネシアにとって有用であり、出版を大いに歓迎するとの確認が取れており、事業が実現した場合の配布体制も見通しが立っている。
当初の計画通り2017年4月に『広島のおばあちゃん』
他方、原本の日本語版が出版されたのが2005年であり、
12月初頭現在、
進捗が当初計画から約5カ月遅れていますが、