2014年4月1日から2015年3月31日
特定非営利活動法人
文化の多様性を支える技術ネットワーク
1.事業実施の方針
本法人設立13年度を迎え、かねて進めてきた有形・無形の文化遺産を保存・修復、継承する活動を継承して、ディジタル技術、コンピュータ、高度映像・音響技術等、現代の先端技術を駆使することにより、多様な有形・無形の文化遺産環境情報を蓄積・保存して、鑑賞や研究・教育素材に供するシステムの構築、さらに文化の多様性ひいては平和を支えるコミュニケーションの確立を目指し、早稲田大学・波動コミュニケーション研究所、同大1ビット オーディオ研究会、人間文化研究機構・音声資料チーム、早稲田大学移民・エスニック文化研究所、UCLA等と連携を密に、前年度に引き続き各種事業をさらに進化させる具体的事業を実施した。
特筆すべきは東京芸藝術大学・社会連携センターと恊働し、復興庁「新しい東北(先導モデル事業)」に参画、「風景と心の修景および創景事業」を展開し初期の目的を達成した。
2.事業の実施に関する事項
(1)特定非営利活動に係る事業
イ)文化財のあるがまま記録・伝送の実験とネットワークを使った文化遺産の紹介
(調査研究、技術支援、普及啓発)
ベトナム政府文化庁の依頼を受け、前年度の事業実績を継承し世界遺産の現地調査と民族音楽、伝統楽器の収録を行い、先端ディジタル技術を駆使し、さらなる充実を図った。
(ロ)私蔵及び埋蔵文化財の再生・公開のための運用実験
(研究開発及び技術支援、国際協力の推進)
1) 前年度に引き続きコロムビア ミュージック エンタテイメント(株)提供の多種多様な古来の音源ソフト(レコード及びマスターテープなど約数万点)を「高速1ビット音響技術」を活用し再生する作業を実施した。
2) 早稲田大学・波動コミュニケーション研究所が主宰する「学問の活用による文化の多様性への貢献」を目的とした多様な文明の共存を支える音響コミュニケーションの確立及び私蔵・埋蔵文化財の再生と閲覧を可能とするシステムの改善と運用に協力・推進した。
3) 前年度に引き続きUCLA図書館所蔵の「日本関連在外資料調査研究:近現代における日本人移民とその環境に関する在外資料の調査研究」として音声資料・オーラルヒストリーテープ復元再生事業の第4年度目にあたり、数回にわたり現地に赴き、関係機関(人間文化研究機構、早稲田大学移民・エスニック文化研究所、UCLA Young Research Library、UCLA Asian American Studies Center)と協働し、「埋もれた過去」となりつつあった移民一世、二世の語ったオーラルヒストリーを電子化して保存する作業を継続実施した。
(2)その他の事業
(イ) テーマ:「不用品から創作されたアート展 Connections」における会場の音空間の展開
2013年に岩手県大槌町および東京の表参道で開催された本アート展のロンドンでの開催にむけ再生ハードウェア8台の制作と会場における音空間を構成する技術面での援助を行った。
ロ) 東京藝術大学・社会連携センターと連携し復興庁「新しい東北(先導モデル事業)」に参画
東京藝術大学・社会連携センターと連携し復興庁「新しい東北(先導モデル事業)」に参画し「風景と心の修景および創景事業」を展開した。その中で「昔を語る会」(南三陸(7/19、10/15))の収録、さらに南三陸町、仙台、宮古などに赴き現地の環境音と映像の収録を行った。いわき市(2014/9/28)、および東京丸ビルホールで開催された「風景と心の復興」(2014/10/24)、せんだいメディアテーク(2015/2/2-4)「風景と心の復興∞」において各地で収録・編集した映像の上映、展示、パネルディスカッション等成果発表に参画した。
ハ) 講演会等の開催
テーマ:「人の頭脳の情報処理とは・・・ 」
講 師: 坂田 俊文氏 本会 会長、 東海大学 情報技術センター 教授
期 日: 平成24年6月14日(土)
場 所: 早稲田大学 西早稲田キャンパス55号S館710室